こんにちは。国祐塾の川添です。
今回は前回の続きです。物語文(2023年)についてみていきます。
◎物語文「雪のなまえ」(村山由佳)
問題は問1~問18までで、全部で13題あります。そのうち記述問題が1問あります。
選択肢の文字量はさほどではありませんが、問題文の量が多いです。時間との戦いになりますね。
・問1 傍線の意味
傍線A「毒気を抜かれてしまう」・・・攻撃的な勢いがなえる様子です。
傍線B「こともなげに」・・・特別なことではないように平然と行う様子です。
傍線C「腫れ物に触るみたい」・・・機嫌を損ねないように、慎重に扱うことです。
・問2 空欄補充
空欄の①の直後に、【逃げ出したように思われるのはごめんだ】とあるので、「降参する」という意味の「しっぽを巻いて」が答えです。
・問3 空欄補充(敬語)
すでに相手の家にいる場面なので、「おじゃましてます」が適切です。
・問4 傍線部の気持ち
傍線部とその直後の文に、【~下唇をかみしめた。~踵を返した。】とあるので、言いたいことを我慢して、腹を立ててその場から離れようとしていることがわかります。腹を立てている原因は、大輝が裏切って友達を連れてきたことです。また傍線部の直前に【その中に女子がいるのだって~。それがどうしてこうも引っかかるんだろう。】とあるので、女子がいることに対しても、心の引っかかりがあることがわかります。これらを含む選択肢が正解です。
・問5 傍線部説明
雪乃が標準語とお国言葉についてどう思っているのかを探ります。
まず傍線部から、
・標準語=体温を持たない言葉
とわかります。
また、傍線部の前に書かれている内容から、
・お国言葉=それがいい
としていることから、
お国言葉は、「体温を持つ言葉」であり、体温とは人の温かみであると考えられます。
そうすると、標準語は、人の温かみがない言葉なので、【機械的で味気ない言葉】という選択肢が答えです。
・問6 傍線部の理由
傍線部から後ろ2行目に【あんなふうに言われてしまうと、悪いのはこちらであるような】とあるので、雪乃は自分が悪いと感じていることがわかります。大輝に対しては、これよりも前の文で【ほんとうは何も悪いことなどしていない大輝のほうから~】とあるので、これらを含む選択肢が答えです。
・問7 傍線部の理由
これは時間がかかりそうな問題です。雪乃は何にどきっとしたのかを考えます(※どきっとするというのは、驚いたりして恐れたりして、動悸が打つこと)。すると、傍線部直前の茂三のセリフである【嬉しかったからだわ】が原因だとわかります。茂三は何が嬉しかったのかというと、「大輝がわざわざ雪乃のために友達を家に連れてきたこと」です。雪乃は、茂三に「大輝がわざわざ友達を家に連れてきたことが嬉しい」と言われて、驚いたわけです。ではもう少し踏み込んで、なぜ茂三にそういわれて驚いたのかを問題文の後半を踏まえて考えると、「茂三が学校に行っていない自分のことを心配していた」ということがわかったから驚いたわけです。これらの内容を踏まえて答えを書いていきます。
・問8 意見文を読んで考える問題
(Ⅰ)
イは、本文中に「~信頼していた」とあるので、「学校に通えなくなってから人を信じることができない」が不適切です。カは、本文中に「友達を追い返しちまっただかい」などが書かれているので、「雪乃にあまり関心がない」が不適切です。
(Ⅱ)傍線部の短い詩は、五・七・五となっているので、「俳句」が答えです。
(Ⅲ)「空と雪乃の梅雨明け」とは、じめじめした梅雨が明けて明るい空になることと、雪乃が不登校を抜け出して、学校に行けるようになることを意味していると考えられるので、これらを含む選択肢が正解です。
以上です。
文章量が多いので、時間との勝負です。
言葉の意味も問われていますので、語彙力の増加も攻略に欠かせません。