こんにちは。国祐塾の川添です。
今回は先日行われた2023年愛知県公立入試国語の分析をしていきます。

◎愛知県公立入試国語の概要


試験時間は45分です。
問題文や参考文を読んだ上に、選択肢を検討することを考えると、時間がタイトです。なんとなく解いていては高得点は難しいです。
9割を目指すためにはあらかじめ国語の対策が有効です。

時間配分の目安は、

第1問 説明文 15分
第2問 漢字  3分
第3問 物語文 15分
第4問 古文  12分

となりますが、
説明文や物語文では、設問が5~6問あります。
そのため、問題文自体は8分程度で読み取り、7分程度で設問を解く形に
なります。時間的なゆとりはないので、集中して解き切る必要があります。

〇第1問 説明文

出典は、「低空飛行-この国のかたちへ」(原研哉)です。

 (1)空欄補充(接続詞)

空欄Aの下の内容が、直前に書かれている「眼前に現れた危機」の言い換えになっていますので、「つまり」が適切です。
接続詞の解法の手順通りに考えれば簡単な問題でした。
ここを落とした人はしっかり基礎から学ぶべきです。

(2)傍線部説明

傍線部の説明なので、言い換えを考えていきます。
まずは傍線部の意味を把握する。そして、それと似た内容を探すと、
2行目に書かれているのでこれが答えのヒントとなります。

(3)内容把握

少し変わった問題です。第3、4段落をまとめたものが書かれており、
その文章への評価として「適切でないもの」を選ぶという問題。
書かれた文章の要点がわかるかどうかが重要なので、今はこういう問題が苦手であっても、日頃から要点をとらえる練習をすると解けるようになります。

(4)内容一致

「筆者の主張を選びなさい」ではなく、
単純に「本文に書かれている内容を選びなさい」という問題。
選択肢アの内容が第1段落に書かれているのでこれが正解です。

(5)内容一致

参考文を読み、その内容と筆者の考えに近いものを選ぶ問題。
文章が理解できれば、選択肢自体は難しいものではありません。

〇第2問 漢字、語句、四字熟語

(1)傍線部に書かれた言葉の正しい漢字を選ぶ
(2)傍線部と同じ意味で使われている漢字を選ぶ
(3)四字熟語

ここは日頃から漢字や語句の学習をしているかが勝負になります。
苦手な子は、
まずは学校の小テストや定期テストで満点をとるようにしましょう。

〇第3問 物語文

出典は、「博士の長靴」(瀧羽麻子)です。

(1)空欄補充(適切な語句選ぶ)

Aは簡単ですが、Bの「とっくりと」は聞きなれない言葉だと思いますので
これを選ぶのが難しいです。
ただ、他の選択肢に書かれている言葉の意味がわかれば消去法で対応できます。

(2)傍線部説明

傍線部の「水を向けた」の意味がわかれば簡単です。
もし意味がわからなくても文脈から判断しましょう。

(3)心情説明

心情把握の方法を利用して、本文を根拠に解答を探せば解けます。
ただ、選択肢が長いので、選択肢問題の練習をして対応方法を慣れておくと良いです。

(4)心情説明

これも心情把握の方法を使えば解けます。

(5)内容一致

5人の意見文から本文の内容と近いものを選ぶ問題ですが、
選択肢の文が長いので一つひとつ丁寧に吟味していては時間が足りません。
ただ、過去問や演習問題を通じて、選択肢問題の解法を練習していれば、
スピーディーに対応できるでしょう。

(6)表現の特徴

選択肢に書かれていることの意味がわかれば対応できます。
隠喩や擬態語などといった言葉に慣れていないと間違えてしまうでしょう。

〇第4問 漢文

出典は「蒙求」です。

(1)傍線部説明

傍線部の言い換えを探せば良く、
パーツごとに選択肢との対応を見ていけば解きやすいものでした。

(2)主語把握

少し迷いそうな選択肢がありました。
日頃から意識して古文や漢文の問題を解いておくことが必要です。

(3)傍線部の内容説明

傍線部の直前に解答の根拠があり、
現代語訳も書かれているので解きやすいです。

(4)内容一致

内容がわかれば、正解の選択肢以外は明らかにおかしいことがわかります。

◎まずは正確に読む練習を!

2023年度からマーク式に変わり、難しかった要約問題がなくなりましたが、全体的に文字量が多い印象です。

ただ、対策としては、「いかにスピードを上げて理解するのか」よりも、
まずはゆっくりと丁寧に文章を理解する練習が大切です。
いくらスピードだけ上がっても、
内容理解ができていなければ意味がありません。

問題文の内容を理解するためには、「要約」の練習が有効です。

国語専門 国祐塾では、100字要約と記述問題の解き方をメインにして
国語の力を育てています。

体験授業では、秘密の読解公式をメインに伝えています。
国語ができる人が無意識的に行っていることをルール化したものですので、
これだけでも文章に強弱をつけて読めるようになります。

国語が苦手な子や国語だけできない子は、
入試直前などに焦ることのないように、早めに対策をしていきましょう。