こんにちは。国祐塾 塾長の川添です。

あと3ヶ月で公立高校の入試ということで、
今日は愛知県の公立高校入試の国語(Aグループ・Bグループ)について分析します。

◎2021年 愛知県の公立高校入試国語の分析(Aグループ)


全体としては大問が4問あり、第1問が説明的文章、第2問が漢字、四字熟語などの語句に関するもの、第3問が説明的文章、第4問が古文となっています。

全部で18問の22点満点で、2点問題が4問あります。

平均点は、2021年では、Aグループ14.9点 Bグループ14.1点です。高得点が期待できる科目ではありますが、2点問題をいかにとりきるかがポイントで、特に要約問題がカギになります。

解答時間は45分ですので、漢字や古文(漢文)をさっと終わらし、説明的文章に時間を割きましょう。

○第1問 説明的文章


出典は「旅人の表現術」(角幡唯介)で、随筆に近い説明的文章です。

(1)傍線部解釈
傍線部の「まぶしかった」という表現は、傍線部の前後の内容を確認すると「プラスの意味」で使われていることがわかるので、選択肢は2つにしぼれます。そして、その選択肢を見比べると、一方の選択肢には文章からは読み取れない内容が後半に書かれているので、残った方を答えにすれば良いでしょう。

(2)空欄補充
空欄Aは、直後の「3度目の冬富士」に注目するのがポイント。
空欄は、空欄の後ろの「~ではなく」に注目。「もはや~ではなく」とすればOK。

(3)傍線部の理由
傍線部の後ろに書かれている「登山」と「文明社会」の関係について読み取っていけば答えがわかります。

(4)要約(60字~70字)
ここが一番難しいです。「登山の自由」という言葉の説明が第5段落の3行目から9行目にかけて書かれており、指定されたキーワードも見つけられます。したがって、ここを中心にまとめていけば良いことがわかります。

ただ、今回はこれだけではなく、よく見ると、9行目の下部にも「登山の自由とは…」という書き出しがあるので、9行目から12行目までの内容も解答に組み込む必要があります。この問題を完答するには、普段から要約の練習をしておくと良いでしょう。

(5)波線部の説明
比較的選択肢が切りやすいので、見慣れない問題形式ですが、得点はしやすいです。

(6)内容把握
こちらも(5)同様、選択肢の後半を見比べると明らかに違うものがならんでいるので解きやすいです。

○第2問 漢字や語句に関するもの


(1)傍線部の漢字の読みと書き
高校入試の標準的な問題です。こういう問題は日頃の定期テストの勉強を通して知識を蓄えておきましょう。

(2)四字熟語
これがわからなかった子は、四字熟語や慣用句などを勉強しておく必要がありますね。

○第3問 説明的文章

出典は「あいづちと変身」(石井美保)で、こちらも第1問同様、随筆に近い内容です。

(1)傍線部の理由
傍線部の後に理由が書かれているので、その箇所が見つけられるかがポイント。そこが解答の根拠になります。

(2)空欄補充
慣用句を選んで入れる問題。空欄の前後を読んで空欄の中の意味を推測してから選択肢を検討しましょう。日頃から定期テストなどを利用して、こういった語句の知識を学んでおくと良いですね。

(3)傍線部の説明
若干難しい問題です。傍線部の意味を把握し、「~のような」という比喩表現の意味を理解した上で、傍線より前の内容と比較すれば答えは見えてきます。こういった問題は、国語の解き方を練習しているかどうかで差が出てくるでしょう。

(4)空欄補充(抜き出し)
空欄の前後をよく見て、文の意味を把握すれば、本文に似た表現が見つかるのでそれをヒントに抜き出します。

(5)内容把握
選択肢そのものは3行程あって長めですが、文の後半に書かれている内容を吟味すれば正解できるでしょう。比較的解きやすいので、選択肢の長さに圧倒されないで、内容を理解していくことです。

○第4問 古文


出典が「ひとりごと」と書かれており、メジャーな内容ではないですが、
中学校の習う古文の基礎的な知識があれば十分対応できます。
部分的に古文の横に書かれている現代語訳を使いながら解いていきましょう。

(1)傍線部の理由
空欄の前に答えの根拠がありますが、本文の意味もとりやすいので正解できるでしょう。

(2)傍線部説明
こちらも(1)同様、傍線の直前に答えがあります。

(3)傍線部の理由
傍線の直前の和尚の台詞が答えの根拠です。

(4)内容一致
傍線部の2行前からの意味を把握すれば答えは選べます。

では次にBグループを見ていきましょう。

◎2021年 愛知県の公立高校入試国語の分析(Bグループ)


全体としては大問が4問あり、第1問が説明的文章、第2問が漢字や語句に関するもの、第3問が文学的文章、第4問が漢文となっています。配点や時間はAグループと同じです。

○第1問 説明的文章


出典は「絵と心」(平山郁夫)で、説明的文章ですが、「観念」や「象徴的」など評論に良く使われる言葉もあるため若干内容が把握しにくくなっています。
日頃から語彙力をつけておくとスムーズに読めるようになります。

(1)傍線部の説明
ヨーロッパの絵画の特徴は第1段落にあり、東洋画および日本画の特徴は第2段落にありますので、それをふまえて選択肢を選べば解けます。

(2)空欄補充(接続詞)
空欄(A)は空欄の前がヨーロッパの絵画の内容で、空欄の後ろが中国や日本の絵画の内容なので、逆接の「ところが」を選ぶ。空欄(B)は「油絵に情熱を傾ける人々も現れた」→(B)→「油絵が普及しても日本古来の絵画を忘れなかった」という流れなので、「だから」ではなく、「しかも」が適切です。

(3)要約問題(60字~70字)
Aグループ同様、ここが一番難関ですが、今回はキーワードを含む文を見つけて、それをつなげば答えになります。日頃から要約の練習をしているかが早く解くカギになります。

(4)傍線部の理由
傍線部の後ろをすべて読んで要点をおさえた上で選択肢を見ればアとイの二択にしぼれます。アは選択肢の後半が本文にあっていないので正解はイです。

(5)内容一致
5段落の内容と6段落の内容が解答の根拠になりますのでそれにあうものを選びましょう。

(6)並べ替え
選択肢の指示語や助詞に注意しながら段落のつながりを考えていけば答えはわかります。この問題は段落の要点を把握する練習をすることで解けるようになります。

○第2問 漢字・語句に関するもの


(1)は傍線部の漢字の読みと書きで、(2)では、余韻に浸るという言葉の知識が聞かれていましたが、どれも基礎的な知識問題です。

○第3問 文学的文章


出典は「明日の僕に風が吹く」(乾ルカ)で、小説文となっています。

(1)傍線部の説明
「破顔した」というのは、表情を柔らかくして笑顔を見せることなので、選択肢は2つにしぼれます。あとは、12行目から13行目を根拠にすれば良いでしょう。

(2)傍線部の説明
第2段落の内容をおさえて選択肢を見れば解けます。

(3)心情説明
まず第2段落の真ん中から後半の内容をおさえます。そして選択肢の後半をみて明らかに違うものを消去すれば答えは出ます。

(4)脱落文挿入
「加工」をキーワードに入る場所を考えましょう。

(5)内容一致
ア~ウの選択肢は本文の内容が把握できていればすぐに消せるので、残っているエ~カから2つ選びます。それぞれの人物の行動が書かれている部分を確認すれば、オの選択肢は消えます。

○第4問 漢文


出典は「春秋左氏伝」とあり、聞き慣れないものですが、現代語訳をヒントにしながら、登場人物の言動に気をつけながら読み解きましょう。

(1)傍線部の理由
傍線部のすぐ上の「~討たば、」をヒントにして、子桑の台詞全体の内容を把握しましょう。

(2)傍線部の説明
傍線部の前と直後の台詞が解答の根拠です。

(3)傍線部の現代語訳
「何の罪かある」が反語的な意味になる点に注意しましょう。

(4)内容一致
注に書かれている豹の立場と傍線部の1行前から2行前までがヒントになります。

◎読解方法を学べば9割狙える!


今年の春に実施された問題は高得点が期待できる内容でした。たとえ解きにくい問題であっても、答えの根拠そのものは比較的探しやすい構成となっています。

中には紛らわしい選択肢もありますので、うっかりミスをしないようにするという緻密さが要求されているのでしょう。

また、要約など国語の練習をしていないと解きにくい問題もありますので、そこをいかに得点するかが高得点の分かれ道ですね。

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