国祐塾の川添です。応用問題が解けなくて悩んでいる子っていますよね。
こういう場合は一度足元を見直すことが大切になってきます。

◎応用問題ばかり解いても成績が上がらないケース

ある生徒さんから、成績が低い、順位は下から数えた方が早いので困っているという話を伺いました。そこで、状況を聞いてみると、学校で勉強はしているし、家でも勉強はしているとのこと。

学校で出されている課題を見てみると、ほとんどが応用問題。本人の力からは明らかに離れていました。しかし、本人は「基礎はできる」と思い込んでおり、応用問題ばかりに目を向けていました。これが大きな問題でした。

◎本当にその問題が「できる」かの確認をしよう

この場合、まず本人の「基礎はできる」という思い込みを揺るがす必要がありました。そこで、基礎から標準レベルの問題をあえて解いてもらい、「ここはなぜこういう風にするの?」とか「どうしてこう答えたの?」など解答の根拠を聞き続けていきました。すると、しばらく考えたあとに、「なんとなく」とか「前にこうしたから」とか曖昧な返事が返ってきましたので、それは「わかっていない」ってことだよということを伝えました。

そんな状態のままテストを受ければ、点がとれないのは目に見えています。記号や数字が変わるだけでも解けなくなるでしょう。

塾で指導を続けていると、こういった子はけっこう多いことに驚きます。
「それって何もわかってないんじゃない?」ということに本人は気がついておらず、自分は「勉強している」と思い込んでいるのです。こうした勉強の流れでは、頑張っても頑張っても空回りしてしまうことが目に見えます。早めの修正が必要です。

◎応用問題は基礎の積み重ねでできている

どんな教科でも同じですが、基礎的なことを理解せずに、あるいは理解したと思い込んで、応用問題を行ってもうまくいきません。基礎的なことを軸にして、応用問題につなげていく意識が重要です。過去に教科書等で習った基礎知識を、応用問題に関連付けていきましょう。

そのためには、解答につまったら教科書や基本的な参考書に戻ってみることが重要です。また、解こうとした時にまったく解き方の見当がつかない問題は、まだ手を出すのが早いです。このレベルでは無理に解答を読んでもわかったつもりになることが多いです。少しでも解答の予想がつくようになってから取り組むようにしましょう。

生徒さんにとって適切な問題集というのは、これまでの経験上、見開きで6割から7割程度は解けそうなものがオススメです。これぐらいであれば、そこまで大変ではなく、解答のプロセスをごまかさずに仕上げていけるでしょう。

◎応用問題が解けないと嘆く前に、基礎を見直せ!

勉強は「積み重ねが大切です」とはよく言われることですが、適当にいい加減に積み重ねては成果がでません。土台をしっかりとつくっていくことが重要です。そのためには、既習事項との関連付けを意識することです。土台ができると徐々に応用問題も手が出せるようになってきます。

こういった話は、たとえば、数学だとイメージがつきやすいと思います。中1レベルの数学がわかっていない子に中3の内容は理解できませんよね。
実は、当塾が専門で教えている国語にも同じようなことが言えます。一文の読み取りや一段落の意味の把握ができていないのに、問題集ばかり解いても、解けるようにはなりません。国語にも数学の基礎にあたる一定のルールがあります。数学ほどはっきりはしていないものの、一定のルールが存在し、それをもとに読解をしていくわけです。これを曖昧にしたまま問題ばかりを解いても、元々出来る子以外は成果が安定しません。
どんな教科でもまずは土台を固めていきましょう。