こんにちは。国語専門国祐塾の川添です。
先日、国語以外は他の塾に通っている生徒さんからお聞きした話なのですが…

◎国語以外は他の塾に通っている生徒さんから聞いた話


生徒さんに指導を進める中で、他教科のことを悩んでいるとお聞きすることがあり、今回も詳細を伺ったところ、定期テスト前は毎日塾に行き、特に土・日は朝から塾に通っている。授業形式としては、「テストを受けて、解説授業を受ける」というもの。勉強時間はかなりしているはずなのに、教科によっては下がってしまっていると言って悩んでおられました。

「授業を受けた後はどうしているの?」と聞いたところ、
それで終わりとのことでした。

◎上手い授業や解説を聞いても成績が上がらない理由


塾の授業としてはよくあるパターンなのですが、テストを受けて授業というスタイルは、勉強がもともと得意で、自分でどんどん復習して身につけていける子にはむいていますが、そうではない子には、どれだけ頑張って通塾して授業を受けたとしても空回りする結果になってしまいます。これでは成績は上がりません。原因としては、解説を受けるだけで終わっているからです。

わかりやすい説明を受けると、それを聞いた時には納得できて「わかった!」と思いますよね。
ただ、このことは、自分一人でその問題が「解ける」こととは直結していません。
聞いて「わかる」のと、実際に「解ける」との間には距離がありまして、それを埋めるステップが必要なのです。

これは、勉強に限らず、習い事全般に言えることだと思うのですが、例えば、水泳の先生に泳ぎ方をわかりやすく教えてもらったとしても、説明を聞くだけでは泳げるようになりませんよね?泳げるようになるには、実際に先生に言われたことを思い出しながら「自分で」何度も練習することが必要です。この「自分で練習する」という過程を通して実際に泳げるようになっていくわけです。
勉強も同じです。聞いて「わかる」だけでは、わかったつもりになっているだけのことが多く、定期テストや入試本番で「解ける」力にはなっていません。水泳でいう練習にあたるステップを踏む必要があります。

◎成績を上げるために必要なステップとは?


水泳での練習にあたるものは、勉強では復習になります。要は、もう一度自分で解いてみるというステップが必要です。習ったら自分一人で解けるか必ず確かめる必要があります。
ここを省いては何も変わりません。
まずはそれができたら、完全にできるまで何回もやりこみましょう。

◎適切な復習回数とは?


よく「何回復習したら良いですか?」と聞かれますが、これは生徒さんによりけりで、一つには決められません。これに関しては、回数よりも、「身につける」ことに意識を向けて下さい。

1回復習しただけでは身についていないことが多く、「わかったつもり」になっている可能性があるので、何回か行いましょう。よく「問題集を3~4回繰り返しなさい」と言われているという話を聞きますが、身につけることが大事なので、回数だけこなすことに目を向けないで下さい。3~4回で身についていれば問題ありませんが、定着度が低かったらまだまだダメです。

何度も復習を重ねる中で、最終的には「人に説明できる」ようになるまでやりこんでいきましょう。復習完了の目安は、「人に説明できるかどうか」です。
説明できる問題を積み重ねれば、自然と点数は上がってきます。

こういう話をすると、たまに「何度も繰り返すと答えを覚えてしまう」と言う子がいますが、別にそれでもかまいません。
そりゃあ何度も同じ問題を解くわけですから答えも頭に入ってしまうでしょう。

しかし大事なのは、正解しているかどうかではありません。
「なぜ」その答えになるのか、です。
あっていればOKというわけではなく、その答えに至るプロセスが大切です。説明できるまでやりこめば、他の問題に対しても応用力がついてきます。「ここはなんでこういう風に答えたの?」と聞いてうまく答えられない子は、応用力が弱いです。根本的なところがつかめていませんからね。
実際に何度もやりこみながら理解度を掘り下げていきましょう。

国祐塾では、授業中に生徒さんの状態にあわせて、いろいろ質問したり、「ここはどうなると思う?」とか「なんでそうしたの?」と聞きながら進めていくのですが、これは応用力をつけるためでもあります。

◎授業を受けるだけで満足してはいけない。


塾で授業を受けて解説を聞くだけで、成績が上がるなんて勘違いしてはいけません。長時間塾にいるだけになっていないか振り返ってみてください。
成績を上げるには、自分で何度もその問題を解いてみる必要があります。それも、ただ単純に解くのを繰り返すではなく、最終的には「人に説明できる」ことを着地点として行っていきましょう。
そして、繰り返す中で答えを覚えてしまってもかまわないので、「なぜ」その答えになるのかという突っ込みを自分にその都度入れながら、1問1問を掘り下げていくことで力はついていきます。