模試や実力テストの結果が返ってくると、多くのご家庭では点数や偏差値に目が向くと思います。

もちろん、それらは現在地を知るうえで大切な指標です。
ただ、私が指導をしていて感じるのは、差がつくのは「結果が出たあと」だということです。

「とりあえず量をこなせばなんとかなりそう」
「たくさん解けば慣れるはず」

そんなふうに考えている子も多いと思います。

問題演習を行うことや量を確保するのも大切ですが、
国語は「何題解いたか」よりも、
「解いたあとに何をしたか」の方が成績に結び付くことがよくあります。

実際、国語が安定してできる子ほど、解き直しを大切にしています。
しかも、それは単に丸つけを丁寧にするという話ではありません。

今回は、なぜ国語ができる子ほど解き直しを重視するのかについて書いていきます。

①国語は「なんとなく」では伸びにくい

算数や数学であれば、計算ミスや解法ミスという形で原因が見えやすいものです。
しかし、国語はそうではありません。

・なんとなく選んだ
・なんとなく違和感があった
・本文を読んだ気になっていた
・選択肢を雰囲気で切った

こうした曖昧な原因が積み重なりやすい教科です。
そのため、解きっぱなしにすると、「なぜ間違えたのか」が本人の中に残りません。

すると次も同じ読み方をし、同じ根拠の取り違えをし、同じひっかけの選択肢に引っかかります。

つまり、問題だけを解き続けても、思考のクセが変わらないのです。
一方で、成績が安定している子は、自分の解答と正答とのズレに注目しています。

「なぜこの選択肢を選んだのか」
「どこで本文とズレたのか」
「何を読み落としていたのか」

そうしたことを自分なりに考え確認しています。

②偏差値が伸びる子は「正解」より「ズレ」に注目する

国語が苦手な子ほど、解き直しを「答え合わせ」で終わらせてしまいます。

「正解は②か」
「なるほど」
「次いこう」

これでは意味がありません。

大事なのは、「なぜ間違えたか」です。

たとえば、
・設問条件をよく見ていなかった
・傍線付近しか読んでいなかった
・対比を見落としていた
・筆者の主張と具体例を混同した
・選択肢の強い表現に気づけなかった

こうした原因を発見することが、成績の向上につながります。

授業でも、成績が伸びる子ほど「なぜ間違えたのか」をよく考えています。
正解した問題よりも間違えた問題を気にして、その改善をしようとします。

「どこで本文とズレたのか」
「なぜその選択肢を選んでしまったのか」

そうしたことを自分なりに説明しようとするのです。
その結果、解き直しの時間のほうが長くなることも珍しくありません。

本文と選択肢を照らし合わせながら、

「言葉の意味を勘違いしていた」
「勝手に解釈していた」
「指示内容を捉えるのを忘れていた」
など、自分の思考のクセを捉えています。

③「なぜその答えにしたの?」に答えられる子は強い

日頃授業をしていて感じるのは、伸びる子ほど「なぜその答えにしたのか」の理由を説明できることです。

当然、最初から上手に説明はできませんので、たどたどしい説明からスタートしますが、それでも、自分なりに解答の理由を言葉で話そうとします。

一方で、
「なんとなく」
「2択で迷った」
「時間がなかった」

こうした言葉で終わらせてしまうと、浅い原因しか見えなくなってしまいます。

本人が考えている以上に、間違えた問題の背景には本文の整理不足や設問条件の見落としなど、いろいろな原因が隠れていることも多いのです。間違えた原因を言葉にできる子は、次回の問題演習で同じようなミスが少なくなっていきます。

④解き直しは「才能」より「習慣」

国語が得意な子というと、
・「この子は読書量が違うから」
・「もともとセンスがあるから」
と言われることがあります。

もちろんそれも一因ではありますが、実際には「解いたあとに考える習慣」の差も非常に大きいのです。

国語が伸びる子は、
「なぜこの答えになるのか」
「本文のどこが根拠なのか」
「何が違ったのか」
をあれこれ考えています。

これは最初は面倒に感じるかもしれませんし、時間もかかるでしょう。しかし、ここを避け続けると国語の成績はなかなか安定しないのです。

⑤「思考のクセの改善」が重要

国語の勉強というと、
・どんな問題集をやるか
・どんな本を読むか
・過去問を何年分解くか
に意識が向きがちです。

しかし、大切なのは、自分の読みや解きの思考のクセが改善されたかどうかです。
同じミスを繰り返しながら100題解くより、1題を徹底的に分析したほうが伸びることもあります。
特に、模試や実力テストは受けっぱなしにしないことです。

結果だけを見て終わる子と、解き直しの試行錯誤に時間を使う子では、差が開いていきます。
国語ができる子ほど、解き直しを軽視しません。
模試やテストの偏差値は気になると思いますが、それ以上に大切なのは、間違えた原因を追究して、「次にどうつなげるか」を考えることなのです。